2014/02/16

寝台特急「あけぼの」で行く冬の津軽 〜その3〜


太宰治記念館「斜陽館」を堪能した後、
再び津軽鉄道に乗って、お隣の「芦野公園駅」へ向かいました。

降りる人は、他には誰もいませんでした。
立ち去る列車の後ろ姿、ちょっと切ない。。。





この駅には、旧・芦野公園駅舎を利用した喫茶店「駅舎」があります。
芦野公園駅は、太宰治の小説「津軽」に登場した小さな駅舎で、
今回、どうしても訪れたかった場所のひとつです。




駅舎の面影が残る店内は、心地良いジャズが流れており、
他にお客さんがいなかったせいか、まるで物語の中にいるような不思議な気分になりました。









ちょうどお昼時だったので、たくさんの魅力的なメニューのなかから、
郷土料理の「けの汁」定食をいただくことに。
熱々で、野菜たっぷりの汁は、本当に美味しくて身体の芯から温まりました。
そして、左に写っているのが、津軽地方の「若生おにぎり」と呼ばれるおにぎりです。
初めて食べましたが、これが絶品の美味しさ!




あまりの美味しさに、五所川原の市場を探しまわって「若生昆布」を購入!



そして、この喫茶店で出されている珈琲は、その名も「太宰ブレンド」。
本当は、駅舎の居心地の良い空間で頂きたかったのですが、、、
列車の時間に間に合わず、お土産として持ち帰ることに。

ちなみに、この珈琲は太宰治も通っていたという弘前の名店「万茶ン」のオリジナルブレンドです!弘前を訪れる際には、ぜひ立ち寄ってみたい喫茶店です。







列車到着の時刻になり、駅舎を後に。
そして、いよいよ津軽鉄道名物「ストーブ列車」に乗車です!

雪の中を普通列車に連結して登場。
この日は、ストーブ列車専用の機関車が点検中のため、通常車両に牽引されてやってきました。
ちょっと(いや、かなり)残念。。。




でも、、、
車内には、もちろん、ストーブ!



時々、車掌さんが石炭をストーブに投入します。
燃え盛る炎!あったかい!!




けの汁でお腹一杯だったのですが、、、ストーブ列車と言えばスルメ!
と言うことで、地元の「日本海のスルメ」をストーブで炙ってもらいました。
これが食べ始めると止まらない美味しさで、あっという間に完食。
津軽平野の冬景色を楽しみつつ、心も身体もポカポカに五所川原駅へ戻りました。









津軽五所川原駅のホームで。数字と中央の時計の赤がかわいい。




記念に津軽鉄道の手ぬぐいを購入。切符は、もちろん硬券です。




五所川原駅のホームで。
「顔出しパネル」記念撮影が好きなユルリクは、ねぶたと一緒にパチリ。




裏側には、こんな注意書きが!
何か大事件でもあったのでしょうか。。。注意しないと、ですね。









再び五能線で、新青森へ。
青森では、駅のプレート内のJRマークにもリンゴが使われています。
リンゴへの深い愛情を感じます。






<五所川原お土産>
不二屋製菓さんの銘菓「むしおくり最中」。
虫おくりという行事にちなんだお菓子だそうです。
竜の顔をした最中の中には、つぶあんと求肥が入っています!







新青森からは「はやぶさ」に乗って東京へ戻ります。


ちょうど2台並んで停車している姿は、まるで宇宙船みたいです。
最先端テクノロジーの新幹線も魅力的です。



2日間というショート・トリップではありましたが、冬の津軽をたっぷりと堪能することができました。もちろん寝台列車が一番の目的でしたが、「あけぼの」のおかげで思いがけない旅になり、また再び青森を訪れたいと思いました。
(残念ながら、次回は寝台列車ではありませんが。。。)


しかし!
その前に、ブルートレイン・ファンとしては「北斗星」にも乗車しないと!










2014/02/15

寝台特急「あけぼの」で行く冬の津軽 〜その2〜


津軽の旅、2日目。
地吹雪の中、再び五能線・木造駅へ。



JR木造駅は、一度見たら忘れられない!インパクトのある駅舎が有名です。
元・考古学少年だったユルリク(池)としては、絶対に外せない場所。。。
なぜなら、駅舎の壁が巨大な土偶で出来ているからです!

この土偶は、つがる市の亀ヶ岡石器時代遺跡から出土した「遮光器土偶」がモチーフになっています。こんなのが出土したら大興奮するだろうなぁ〜、と妄想が膨らみます。
雪の津軽平野で、遥か縄文時代に想いを馳せる。。。歴史のロマンを感じずにはいられません。

ちなみに、以前は電車の到着に合わせて目が光ったそうですが、
今は子どもが怖がるので光らないそうです。残念!



駅舎の入り口は、意外とこじんまりしていました。
近くから見ると、岩のような感じです。片足なので、ちょっと心配?






木造駅の駅前通りには、趣のある素敵な古い建物がいくつもありました。
雪景色に映える色遣いです。








お土産を求めて「街の駅・あるびょん」へ。
地元・つがる市の特産品や、新鮮な野菜などが販売されています。




どうしても欲しかったのが「遮光器土偶」のキャラクター「しゃこちゃんせんべい」。
やはり木造駅の降車記念として、外せないアイテムです!




そして、美味しそうなリンゴジュースも購入。
地元の農園「拓紅園」さんの無添加100%リンゴジュースです。
色々な品種のリンゴジュースがあり、どの品種にするか迷った末、
泊まった部屋の名前が「世界一」だったので、この「サン世界一」に決定!




あるびょんに寄っていたら、電車の時間に間に合わなくなってしまい(次の電車は、2時間後!)
タクシーで五所川原駅へ向かいました。

五所川原駅では「立佞武多の館」へ立ち寄りました。

五所川原で開催される「立佞武多祭り」で使用する大型の立佞武多が展示されています。
何と高さが約23m!もある巨大な立佞武多です。
極彩色に光り輝く色彩と、パワフルな造形に圧倒されます。






五所川原市では、街のマンホールも立佞武多です。







五所川原駅は、ストーブ列車で有名な津軽鉄道の始発駅。
素朴な佇まいです。




津軽五所川原駅の看板。ちょっと黒板っぽい?





津軽五所川原駅のスタンプも、のどかで懐かしい感じが漂っています。








金木駅までは「走れメロス」号に乗車。
金木出身の文豪・太宰治にちなんだヘッドマークです。





車内では、乗客へのサービスも盛りだくさんで、無料の文庫コーナーもありました。








金木駅からは、歩いて太宰治記念館の「斜陽館」へ向かいました。


まさに、豪邸!と言うに相応しい重厚な邸宅です。
あの時代、これだけの旧家に生まれたということは、大変なものを背負い込むことだったんだろうなぁと、なんとも言えない気持ちになりました。

太宰作品は、ユルリクも10代の頃には、夢中で読んでいたのですが、
大人になった今は、ちょっと遠ざかっていました。。。
が、ここでの空気を感じ、改めて読み直してみたいなぁと思いました。
きっと前とは違った感想が生まれるように思います。




文学ファンの間で「斜陽の間」とも呼ばれている部屋。
襖には、確かに斜陽の文字が!
この部屋で、太宰治は何を想ったのでしょうか。。。




<お土産>
食べる文庫「津軽」。
文庫をモチーフにしたパッケージのクッキーです。
文庫本と同じサイズなので、本棚に入れたくなります。



(続く)










2014/02/13

寝台特急「あけぼの」で行く冬の津軽 〜その1〜


3月のダイヤ改正に伴い、上野発・青森行き寝台列車「あけぼの」号が、
いよいよ姿を消すことになりました。。。

いつか乗りたい、、、と思いながら、なかなか実行できなかった自分に喝を入れ、
今回は何がなんでも乗るぞ〜!と、超・難関な乗車券を、ついに入手しましたっ!!
発売と同時に完売してしまう乗車券なので、ひたすらキャンセルが出るのを待ち、
キャンセルが出たら「みどりの窓口」に走って直行!という、地道な努力を続けました。

とにかく、諦めてはいけません。こうなると、日程も運任せです。
何回か窓口に通い(駅員さんにまた来たか、という顔をされつつ)、
ようやくB寝台2人分が取れました。(本当は、個室に乗りたかった。。。)

そして。。。
いよいよ「あけぼの」乗車の日がやってきました!



上野21:16発、青森行の「あけぼの」。
これぞ、旅情をかき立てられる電光掲示板!



コドモの頃から、大好きだった”ブルートレイン”。
今では、カシオペアのような豪華寝台列車もありますが、
やはり寝台列車といえば、このブルーです!!!

入線と同時に、待ち構えていた鉄道ファンが一斉にカメラを構えます。
ユルリクも負けじと、シャッターを切ります!




長岡駅までは、このブルーの機関車が牽引してくれます。
(長岡駅から先は、赤い機関車に牽引されます!)

「あけぼの」のヘッドマークは、明け方の海のようなデザインです。
目覚めると、こんな海が待っていてくれるのかしら、、、と、思わず妄想が膨らみます。




写真に夢中になっていたら、あっという間に発車時刻に。。。
時間が全然足りません!



今回、乗車したのはB寝台の上下席です。
シーツや浴衣、スリッパ、ハンガーなどがついていて、カーテンで仕切られています。

乗車口の「B寝台」プレート横にある”星3つ”がたまりません!
はやる気持ちをおさえつつ、いざ青森へ出発です。









興奮でなかなか寝付けないのが寝台列車。
朝まで車内放送がなく静かに停車・発車をしていくので、海外の列車に乗っているような気分です。
今、どの駅に停車しているのか、外を見ないと分かりません。




それにしても、やけに長く停車するなぁ、、、
と思っていたら、羽越本線が強風と信号トラブルにより運転見合わせに!

一時は車内が騒然としましたが、しばらくすると、皆諦めて、
それぞれのベッドに戻っていきました。こうなると、寝て待つしかありません。





ようやく動きだしましたが、定刻より遅れること約4時間。
本来なら、とっくに青森について、朝市の「のっけ丼」を頂くはずだったのに。。。
しかし、外は大荒れの日本海。遅延は仕方がありません。
独特な海の色に圧倒されながら、冬の日本海の厳しさを痛感しました。




秋田駅につくと、乗客にパン(非常用!)とお茶が配られました。
缶入りのパン、、、初めてです。
上野駅では撮影に夢中で食べ物を買いそびれてしまったので、ありがたく頂きました!






約5時間の遅れで、ようやく青森駅に到着しました!
長かった。。。(でも、たっぷり乗れたので、良しとします。)




ブルーの車体に、でっかいJRマーク。(素敵!)




到着と同時に、大急ぎで先頭車両へ。
真っ白なヘッドマーク、雪国ならではの光景です。
これが最後だと思うと、立ち去りがたい気持ちでいっぱいでしたが、
空腹もピークに達していたので、心の中でサヨナラをしつつホームを後にしました。






青森駅のホームの柱には、何故か大きなリンゴが。。。
実は、このリンゴの中には業務連絡用の電話が入っているそうです。
(ここを引く、と書いてありますが、一般人はダメですよね?)
使っているところを、ぜひ見てみたかったです。




 青森駅のスタンプも、もちろんリンゴ。


青森駅から、ニコニコ通りを抜けて「青森魚菜センター」を目指します。
ニコニコの看板がかわいい!






ここは、好みのお刺身を選んで作れる「のっけ丼」で有名な市場です。
今回の旅の目的のひとつでもありました。




魚菜センターの中には、たくさんのお店が並んでいます。
本来なら朝食を食べる予定でしたが、遅延のため夕方になってしまいました。。。

受付で食券を購入し、自分だけのお好み丼を自由に完成していくのですが、
閉店の準備を始めているお店もあり、焦りつつ好みの魚介類を”のっけて”、
オリジナルの丼を完成させます!






悩みに悩んだ末、「ユルリク特製のっけ丼」完成!
新鮮な海の幸は、本当に美味しかったです!!どーんと大きな卵焼きもオススメ。
長かった移動の疲れも、一気に吹き飛ぶ美味しさでした。

予定では、青函連絡船・八甲田丸を見学するつもりでしたが、残念ながら今回は見送りです。






その後、列車を乗り継いで、次の目的地、JR五能線・木造駅へ。
本日のお宿は、比較的駅から近く、リーズナブルに温泉が楽しめる「柏ロマン荘」です。
なんとか無事に到着し、長い長い一日が終了しました。


(続く)